この土日の休みで調子がイマイチなアドレス110を診てみる事にしました。
私の推測としては・・・・・・・
①アドレスのコンピュータの異常
②インジェクション・コンピューターのソケット等接触不良
③アクセルの戻りが不良
という事を考えました。
私のアドレスは中古で購入しており、外装はそこそこ綺麗ですが、距離は3万キロを超えています。
この5月に購入した際にタイヤ前後交換、プラグ新品交換を行って、10月に駆動系のベルト交換とウエイトローラー(11g~9g)の交換も行っています。
その時に感じた事は、前所有者のアドレスの扱い方です。
外装は綺麗であり、雨にも濡れないで屋根下で駐車をしていた。
プラステック部分が白化していない状態でした。
ただ、駆動系のベルトは1cm以上細くなっており、最高速が伸びない状態であった。
駆動ベルトはスクーターであれば2万キロ前後で交換した方が良い重要な部品ですが、このアドレス110は駆動部分の蓋を開けた形跡が無かった。
だから、内部が赤黒いベルトの削れた屑だらけであった。純正のウエイトローラーも一部削れがあったが、走行距離を考えるとそれ程減っていなかった。
前所有者はメカに詳しくなかったの関係でスピードが出ない理由が分からなかったのだと思う。それで下取りに出したか買い替えたのではないか?と考えた。
機械的な事が詳しい人で無ければ、110ccのスクーターで距離が3万キロを超えてスピードが出なくなれば、「そろそろエンジンの寿命か?」と考えても無理はありません。
車体自体も立ちごけが1度あるのかな?程度の傷があるだけで艶もあり綺麗な物です。
ライトもポジションもLED等付けておらずノーマルのまま。
私と同様におやじさんが乗っていたと私は推測しました。
当たっているかは分かりませんが、多分近い感じではないでしょうか。
そしてインジェクションとコンピュータ周辺を確認するために分解作業をします。
外す部品は・・・・
①足元シート下カバー(ネジ4本+)
②シート下収納ボックス(10ミリ4本・ネジ2本+)
するとシート毎ボックスがそっくり外れますので、エンジンが丸見え状態です。
丁度、エンジンの上にインジェクションがあり、後部にコンピュータが張り付いています。
ざっと見ると・・・「そんなに汚れていない」という印象です。
ただ、フレーム等は埃が沢山付いていました。
配線は外さずに手に取りじっくり見て見ます。
線が抜けていたり傷んでいたりする部分はありませんでした。
コンピュータも見てみると・・・・・・
雨に濡れないようにプラで周りを囲んであります。
ソケットを外してみると・・・・・・「う~?」
ソケットのピン6本分ほどに緑青が付いています。
これはどうみても、雨などの水がコンピュータ下部のソケットに入り込んだが、濡れないようにしているプラカバーに水が溜まってしまっていたか?どちらかです。
アドレス110のコンピュータは横型に設置されており、配線ソケットも横にあります。
なので、どうしても下になる配線側のソケットが水等に侵入され易い状態である。
位置を変えようと考えたが配線が短く、最短な横置きの長さしかない。
仕方無いので、シリコンスプレーを使って緑青を落とす作業と緑青で通電が悪くなっているピンを少し磨いておく事にしました。ピンを曲げないように作業するのは大変です。
ソケット内部の緑青はシリコンスプレーを穴に何度も吹いて飛ばすようにしました。
ついでに、インジェクション周辺のゴム、プラグコード、配線ソケットなどにもシリコンスプレーを吹いておきます。
少し放置してボロ布で拭き取り、周辺も簡単に掃除して完了です。
作業的には30分程度ではないでしょうか。
完成後試運転を1時間程度してきました。
始動直後は寒さの関係もあり、アイドリングは高くなりますが、乗っていてエンジンが暖かくなるにつれて回転数も下がってきます。
不思議なのは、このアドレス110のコンピューターは一度スイッチオフにしてエンジンを停止させて再始動すると安定するという事です。回転数がちょっと高いなどあるようであれば、一度エンジンを止めてから再始動するといつものアイドリングになります。
20分ほどでいつものアイドリングに戻りました。
ちゃんと15kmくらいでクラッチも切れます。
今までアイドリングが高かった影響で、低い回転数のアイドリングが止まりそうで不安がありますが、これがいつものスズキのアドレスだと思います。
アドレス110でちょっとエンジンが調子悪い。
アイドリングが高い、不安定であるという人は一度、コンピュータのソケット部分を疑って診てください。
特に屋根無しで保管している方は注意してください。